私事でブログのアップも、ちょっと間が空いてしましましたが、
前回はカルティエ期待の展覧会が
六本木の国立新美術館で開催されると告知しました。

「Cartier, Crystallization of Time」=「カルティエ、時の結晶」
です。
既に様々なメディアで取り上げられていて、注目の催しとなっているので、
もう会場に足を運ばれたG Q読者も多いかと思います。

私は幸いプレス向けのプレビューに参加する事が出来た為、
見逃さずに済んでいるわけですが、
いや、この「展覧会」、
絶対に見逃してはいけない催しでした。

なので、このGQWebのブログでは再度のお知らせと共に、
ご覧になられていない方に「ぜひ!」とアプローチしたいと思います。
会期は12月16日月曜日までですから、まだ間に合います。
ただし
「火曜日が休館日」
なのでご注意ください。
私の友人は遠方でしたので、お江戸への出張ついでにと意気込んでいたのですが、
よもや火曜日が休館とは考えていなかったようで、六本木で意気消沈。
それでも別日で再度トライと言っておりました。
それだけ重要ってことです。
GQ読者の皆様にはくれぐれもそのようなことがない様に。
まずは会場である国立新美術館ですが、
ここは新たな芸術のランドマークとして認知されていますね。

そこを会場として今話題の
杉本博司氏と榊田倫行氏主宰の「新素材研究所」が会場を手掛けています。

「新素材研究所」は
「旧素材こそ最も新しい」という理念のもと活動していて、
この「時の結晶」の会場も、
これ自体がインスタレーション。
彼らの独特の感性で設えられています。

例えばミステリークロックが展示されている
序章「時の間」。

この展示には正倉院にも収蔵されている日本古来の布「羅」を
その復刻に成功した川島織物セルコンに特別に発注して
8メートルのグラデーションで織り上げています。

杉本氏はかつて海外で古美術商を商っていたこともある目利きで、
建築と古美術、そしてジュエリーのいまだかつてないコラボレーション。

あまり写真や解説を加えると面白くなくなるので、
あとはご自身で体感してください。
カルティエは1989年以来、
34回の大規模な展覧会を各国で行ってきたそうですが、
前回も書いた様に、
従来のアーカイブ展とは一線を画し、1970年代以降のカルティエ の
歴史からするとコンテポラリーな作品が中心となっています。
これは初の試みであると同時に、
しかもその展示される作品の約半数が
プライベートコレクションであること。


コンテンポラリーだけでなく、
やはりカルティエ の伝統的真骨頂、トゥッティーフルッティーも。

プライベートコレクションはカルティエ のクリエーションを研究する上で
貴重な素材でありチャンスです。
ほとんどが人知れずカルティエの金庫から、
VIPの金庫に直行しているコレクション達ですから、
当のカルティエの方々でさえ、
「こんなのあるのは全く知らなかった」
「とても新鮮!」
と口々にしています。

とにかくジュエリーは愛でるもの、愛でられるものですが、
この展覧会は作品の選択、展示形態あってかそれだけでなく、ちょっと別な印象。
美術・建築学を駆使した会場とジュエリーのコラボレーションの成果でしょう、
今までの展覧会でも特筆すべき出来栄えだと思います。

コレクションにはモナコ大公宮殿コレクションからも5点特別に出展されていて
その中にはアルベール二世大公の母君であるグレース・ケリー公妃の着用した
ティアラもあります。
そんな縁もあってか、会期半ばが迫る10月25日
アルベール2世モナコ公殿下(H.S.H. Prince Albert II of Monaco)
も会場を来訪され、ご鑑賞されています。
単一ブランド、しかも近代のコレクション中心でありながら、
十二分に入場料に見合う展覧会は流石カルティエ。
リピート来場される多いのも納得です。
私だってもう一度行きますよ。

