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GINZA SIXでアートに触れる

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開業1年を待たずに、今では完全に銀座のランドマークとして世界中から人々が集う

通称「GSIX」

ギンザ シックス=GINZA SIX


かつてここは松坂屋銀座店で「世界の腕時計博」が行われ、

時計マニアの年一度の聖地でした。

まさかこんなに様変わりして、素晴らしい施設になるとは。


そう言えば、このGQと同グループのVOGUEが、

このGINZA SIXの屋上「GINZA SIX ガーデン」で

「VOGUE LOUNGE GINZA SIX」を

昨年の7月28日から10月29日までオープンしていました。

行かれた方も多いかと思いますが、銀座中央通りは建築高さの自主規制があり、

他の繁華街と違って空が広いのです。

「VOGUE LOUNGE GINZA SIX」は最高の空間を提供していました。


またここはついに東京メトロ銀座駅からの地下コンコースも開通し、

雨に濡れる事もなくなり、益々便利になりました。


GISXのコンセプトは「Life At Its Best 最高に満たされた暮らし」で、

「人生を豊かに充実させる価値のあるモノや体験の提供を目指す」

とあります。

ラグジュアリーからアートまで、ここはまさにGQ、VOGUEの世界感の一部です。


アートと言えば吹抜けの「草間彌生」があまりにも有名になってしまいましたが、

この6階「銀座 蔦屋書店」内に、小さいギャラリーがあるのをご存知でしょうか?

「THE CLUB」=ザ・クラブ

です。


ここは中が覗けない擦りガラスの大きなドアあるのですが、

隣には「リシャール・ミル ライフスタイル ラボラトリー」がオープンスペースであるので、

蔦屋書店に行かれた方はそちらの方がきっと印象に残っているでしょう。


ザ・クラブはその隣で、かなりの確率で見過ごされる場所です。


私は本来時計宝飾が専門ではありますが、

前職が総合オークションハウスだった事もあり、

今アートについてかなり「前のめり」中。


時計もアートも楽しむ事が出来て、しかも資産価値の高い「動産」。

時計の研ぎ澄まされた精緻さとは、ある意味対極がアートだと思っています。

(もちろん種類によりますが・・・)


実は元同僚がこのザ・クラブで総責任者に就任されて、

「今度こそおもしろい展覧会があるので是非」

とお誘い下さったので

重い擦りガラスの扉を開けて中に入ってみたのでした。


それはブラジル人アーティストのグループ展

「ダイアローグ」=DIALOGUE

という展覧会で、3月24日まで開催されている

「南米」のコンテンポラリーアート展です。


日本ではあまり知られていないのですが、(自分もでしたが)

アートの中心マーケットであるアメリカでは

南米アートは地理的に近いことからポピュラーで、

テートモダンやMoMAでは早くから取り上げられています。


ブラジル、南米のアートは既に高い評価がなされていたのです。


この展覧会では既に世界的に評価の高い

「ミラ・シェンデル」=Mira Shendel(1919-1988)や

「アントニオ・ディアス」=Antonio Dias (1944-)

それに、彼らに影響を受けた次世代のアーティスト

「デタニコ・アンド・レイン」=Angela Detanico and Ragfael Lain

(Angela 1974- Ragfael 1973-)

の作品を展示しています。


「言語が持つ可能性に着目し、音声と意味の成り立ちのみでなく、

視覚を伴うアートへ昇華させたコンセプチュアル・アーティスト達の対話」


と説明にありましたが、ギャラリーにはそれらテーマから厳選された10点が展示。

エントランスすぐ左にある「デタニコ・アンド・レイン」の“LIGHTNESS”

がそれを象徴しています。


コンテンポラリーアートと言うと少し難解なものあるのですが、

この作品達はインテリアと日本の家屋にもマッチしそうで、

とても素直に観賞できます。


たまたまなのでしょが、「デタニコ・アンド・レイン」の

作品3点は“Local Time”と題された二部作と、

“Analenma”は時計とも共通するテーマがあり、

真っ先に興味が湧きました。


ワールドタイムの世界と、エクエーションオブタイムじゃないですか、これは。

目に飛び込んできます。


作品についてはキュレーターの説明を伺って、なるほどと納得。


アーティストは様々なところからインスピレーションを得ています。

しかし思い付きと違って、

インスピレーションが哲学的な分野まで難解で深い解釈があってこそ

生まれるものだと理解しました。

それがデザインと、根を張ったアートの違いのなのでしょう。


「ミラ・シェンデル」「アントニオ・ディアス」

今から50年!近く前とは思えない作品


今日こそマーケットが活性なので、

ニュースなどでコンテンポラリーアートが取り上げられますが、

半世紀も前に既に出来上がっているアートだったのです。

私の認識不足。


コンテンポラリーアートは熟成期間に既に突入していたのです。



アートはそう簡単に語れるわけではありませんが、

難しいことを抜きに感性に訴えます。それを素直に受け止めればいいと。


どこかで聞きましたが、

「どんなに勉強して最先端で難解な数式を解けても

いずれテクノロジーに負けて消え去るが、アートを学べば、

いずれ人の心と歴史に残る。」


仕事柄細かいメカや、眩い石に魅了されていますが、

あまり見ていると結構疲れてくるもの。


そんな時、アートが身近にあると空気が変わって、リフレッシュできるものです。

だからアートには値段が付くのでしょう。

時に法外ですが。


ザ・クラブはフリースペースではありません。

扉は閉まっていますが、いつも鍵は開いています。

これはギャラリーの存在に気がついたお客様だけに

くつろいで鑑賞してもらうための配慮なのです。


アートにウンチクは不要です。

GSIXではこのギャラリーの扉を是非開けてください。

素晴らしいキュレーターがなんでも教えてくれます。

プライスも付いているようですから、

気に入れば展覧会後に自宅に飾ることも出来るようですよ!


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