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VOGUEとシャンパーニュとデザイナーの関係

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2017年2月22日、一つのファックスが私のオフィスに届いた。


" VOGUE JAPAN "からの取材文であった。


" Veuve Clicquot "の " Clicpuot Crew / クリコクリュー "のメンバーであった私は、" Veuve Clicquot "の推薦を得て " VOGUE JAPAN "のインタビューを受けた。

世界のデザイナー達にとって " VOGUE "とは「国王」にとっての「玉座」と同格の意味をなす。

当時の " Veuve Clicquot "のコミュニケーションマネジャー " Madame Nanako Esclapez Ishihara "の企画により、そのインタビューに合わせ、私の手がける " ZARNY collection "の撮影をするという機会に恵まれた。


" ZARNY collection "にとって初の " VOGUE "撮影である。 


そのインタビュー内容の全文を下記にて公開し、本年の結びとする。


皆様にとりましても、新年が穏やかな素晴らしい年でありますように願っています。

渋谷ザニー

http://zarny.tv

http://www.zarny-onlineshop.com

⬛︎ VOGUE JAPAN  < 渋谷ザニー氏へのご質問 > ⬛︎


VOGUE : Q1. Veuve Clicquot の Clicpuot Crew(クリコクリュー)というエクスクルーシブなクラブのメンバーとなっていらっしゃいますが、ヴーヴ・クリコというブランドに対するイメージを教えてください。


ZARNY : A1. 僕が20代の時に、覚えたシャンパンが " Veuve Clicquo "です。30代に近づくにつれ、シャンパンの持つ神話性に惚れるようになりました。初めてファッション業界に入り、デザイナーのキャリアをスタートさせた22歳の頃から、展示会の季節やレセプションの時になれば、必ずいつもシャンパンが周りにある環境でした。


やがて、「 Z A R N Y / ザニー 」を企業し、自身で会社を起こすようになると、平日の徹夜の時でも、社員が手軽に飲めるようにと、シャンパンをオフィスに常備させるようになりました。


ザニー社では、毎月の " VOGUE JAPAN "と " Veuve Clicquo "をオフィスに常備しています。

ザニー社では僕がデザイン画を描き、母がデザイン画からパターンを読み解き、職人達が縫製を行います。気心知れた大学生の頃からの友人達が、現在では外商や、営業を担当し、会社を共に運営しています。上顧客や百貨店の担当者がオフィスへいらしゃる際は、夕暮れ時や週末のタイミングには、シャンパンを開ける時があります。また、職種にもよるとは思いますが、ザニー社では22:00を過ぎたオーバータイムの時こそ、景気づけにシャンパンを開ける事があります。


ザニー社は小さな会社ですから、社員全員が気分良くお仕事ができなければ、良い作品をお客様に納めることはできません。仕立て服とは制作する側の雰囲気や感情が作品に伝わるものです。" Ready-to-Wear "等の既製服とは違い、" Haute-Couture "オーダーメイドの衣装は、作り手の気分に作品が左右される神秘的な性質を持っています。

VOGUE : Q2. 今回撮影に使用したドレスのデザインポイント、コレクションのインスピレーションの源についてお聞かせください。 ご自身の美しいドレス、女性にはどのように着こなしてほしいですか?


ZARNY : A2.僕は常に心にも身体にも負担のない服作りを心掛けています。紙と鉛筆によって二次元の世界で生まれたデザインは、針と糸によって三次元の世界に登場します。美という性格を持つようになった服は、着る人によって品格を与えられます。


僕が理解するに、女性の美しい着こなしとは、その人の人格と骨格に調和する服装を意味していると考えています。そうすれば、年齢や体型を意識せずとも、もっと自分に似合う衣装が見つかると考えています。


流行だから、憧れの人やライバルが友人が、着ているから、自分も身につけるのではなく、自らの意思で価値を決め、自身のスタイルを発見し、周囲に流されることもなく、自身のスタイルを演出する女性は魅力的だと思います。


そんな感受性豊かなセンスのお客様が現在の " Z A R N Y / ザニー "を支えています。

VOGUE : Q3.ザニーさんのクリエイションの根底にあるもの(ご自身のルーツやカルチャー、興味のあるものなど)、 クリエイションやビジネスに駆り立てるものは何ですか?


ZARNY : A3.僕は1985年、当時社会主義だったミャンマーの旧首都ヤンゴンに生まれました。社会主義という環境から大量消費型のデパートはなく、洋服といえば、仕立屋に行き、生地から選び、採寸し、オーダーメイドするのが僕達家族の基本でした。


そのため僕はオーダーメイドの洋服しか8歳まで着用して来ませんでした。成長期でしたから、季節が変わる度に両親や祖父母に連れられて、仕立て屋に通いました。または、母や祖母が生地を反物から買い、自宅で服を仕立てるという、とてもクラシックな環境で僕は育ちました。


今思えば当時の空間に広がっていた、ミシンの音、生地を裁断するハサミの音、そんな環境が僕のファッションデザイナーとしてのルーツなのかもしれません。


以後8歳からは東京へ移住し、つまりは政治的な理由で亡命したわけですが、32歳となった現在では日本とミャンマー、両国家間の大切な式典に参加する場面も増えて来ました。その際にファッションとは外交の場面で意志と感情を表現し、政治の側面で無言言語として存在する意義を理解しました。


そして同時に、シャンパンもまた両者が笑顔を交わし、円満に平和的な友好関係を演出するのに、必要不可欠なツールだと感じるようになりました。


僕が初めて安倍総理の晩餐会に御招きいただい時、赤坂離宮へ訪問するために自社でタクシードを新調しました。緊張する席だからこそ、僕の身体に馴染み、動きやすストレッチ素材が織り込まれた絹の生地でタクシードを製作しました。


どんなに豪華な衣装だって、その時代と着る人の人格と骨格に調和しなければ、意味がありません。豪華な衣装こそ、普段着の様に見せるのが、センスの良い着こなしなのだと思います。


力を入れて意識的にオシャレをし、身体を緊張させるのではなく、ごく自然に、日常的にシャンパンを飲むような感覚で、肩の力を抜いたオシャレな生き方として、その場面を楽しめるのが究極のラグジュアリーだと思います。

VOGUE : Q4.今回の撮影は「女子に今人気のおしゃれピクニックをシャンパンとともに楽しむ」という設定でしたが、 ザニーさんが考える、デイリーでのシャンパンの楽しみ方とは、「日常生活の中でこんなシャンパンの楽しみ方が できる」、あるいは、「春にはこんなシャンパンの楽しみ方がある」など、ご提案をいただければと思います。


ZARNY : A4.僕が思うに、良いレースは肌着にもブライダルドレスにもなります。良いシャンパンは日常の時でも、お祝いの席にも良く似合います。


日常オフィスにも常備している " Veuve Clicquot "のお話は先にお話ししましたが、僕が1月に妻と入籍する前日、両家の顔合わせの席で選んだシャンパンは桜色の " Veuve Clicquot ROSE LABEL "でした。

記念すべき祝日のブランチに、ぴったりでいつもより特別感を演出し、それであって日常のようにリラックスした雰囲気を楽しめる瞬間を演出しました。


不思議なことに、気心地と着心地は同意味をなすのです。


服を新調すると、心まで新品になった気分になります。シャンパンのコルクを抜く度に、新しい人生の扉が開き、新たなドラマが訪れるような気持ちにさせてくれます。


お花見や春のピクニックはもちろん、緊張感溢れる日常の心休めるツールとして、シャンパンを楽しんでみてください。大切なミーティングやプレゼンテーションなど待ちに待ったの勝負の前日など、必勝を願う意味合いで" Veuve Clicquot "を楽しむのも良いかもしれません。


数々の大戦を乗り越え、ロシアン皇帝や世界の王室への売り込みを成功させた " Veuve Clicquot "ブランドだからこそ、その強運をおすそ分けしていただけるかもしれません。

VOGUE : Q5.シャンパンとドレスが、女性の心理にもたらす効果について、共通点があれば教えてください。その他、撮影に使用したドレスのデザインポイントやインスピレーションについても質問をさせてください。


ZARNY : A5.僕はファッションデザイナーではありますが、ザニー社を経営する社長でもあります。30代に入ってからですが、移動中の飛行機内でデザインすることが増えました。地上では会社の経理経営に追われ安定した気持ちでデザインに専念する時間が無い時があります。


そんな多忙な地上を離れ、安らぐ時間を手に入れた空の上こそ、自分にとって最適な場所だったりします。自宅やオフィスより幾ら狭い空間でも、空の上でデザイン画を描く瞬間は、案外満足できる時間だったりします。


もしもそこにシャンパンがあれば何不自由ない完璧な空間です。情報に遮断された空の上ではインスピレーションの源は目の高さに広がる星々とシャンパンのスパークリングだけでしょうか。


それでも、時折り思うことがあります。

社会と私生活の両立が求められる昨今、正直ファッションもシャンパンも人生の基礎的な面から見れば、そう大した必需品ではありません。


しかし、日常から瞬間的に飛躍する環境を手にするためには、両者とも必要不可欠なツールなのだと考えます。


いうならばチャンスとはいつの時代も、必ずその人の非日常的な世界から訪れるものなのです。


シャンパンとドレスの共通点は、日常から女性を開放し、非日常の世界へ女性達を導く搭乗券のようなものかもしれません。


シャンパンとドレスは、その人の個性と魅力を最大限に引き立たせます。


その人の魅力と意志をより良く、演出する手助けをするツールこそ、ファッションなのだと思います。

「文は人なり」と、昔の日本人は言いますが、現代では「ファッションは人なり」なんて例えられるかもしれません。その部分では、シャンパンもまた現代ではファッションの一部分なのだと思います。


服を新調すると、心まで新品になった気分になります。シャンパンのコルクを抜く度に、新しい人生の扉が開き、新たなドラマが訪れるような気持ちにさせてくれます。


人がいればドラマがあります。


ドラマがある人は上手にファッションを身につけています。

Interview with fashion designer Shibuya Zarny 

https://www.vogue.co.jp/special-feature/2017-03/17/veuveclicquot

Sponsorships by Veuve Clicquot - MED https://www.veuveclicquot.com/j 

Interview by VOGUE Japan https://www.vogue.co.jp/?international



【 関連コラム & 参考文献 】

「 GQ JAPAN 夢のデパート 〜松屋銀座の11日〜 」

http://blog.gqjapan.jp/posts/1615286

「 GQ JAPAN ラグジュアリーへの崇拝 / 渋谷ザニー 」

http://gqjapan.jp/life/business/20120717/the-new-tokyos-view4

「 GQ JAPAN 女のスーツはブラック / 渋谷ザニー 」

http://gqjapan.jp/life/business/20120614/the-new-tokyos-view3

「GQ JAPAN パリ 午前1時」

http://blog.gqjapan.jp/posts/999695

「 GQ JAPAN 社長とデザイナー 」

http://blog.gqjapan.jp/posts/999696


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