ドバイへの旅というとバブリーでお金がかかるイメージがあるかもしれないけれど、実は6〜8月のドバイはけっこうお得。そうそうたる高級ホテルが、夏は大幅に金額を下げ、いつもなら「3泊するのちょっと無理してるな…」というブランドでもこの時ばかりはハードルがぐっと下がる。
なぜローシーズンかといえば、イスラム教のラマダン(断食月)があり、そしてとにかく暑いから。でも、砂漠へのサファリなどに執着がなければ、その他のドバイの楽しいことはインドアでも十分にまかなえる。なにより、ラマダンという中東らしさが最も表れる風習を目の当たりにできるのもユニークな経験だ。

そしてこのめちゃくちゃ暑いドバイでのおすすめのひとつが、“ホテルでのおこもり”。どのホテルも、とにかく安くなる。アルマーニやフォーシーズンズ、ジュメイラ系やハイアット系など色々あるけれど、建物の美しさと価格のお得さでぜひおすすめしたいのが、「ワン&オンリー・ロイヤルミラージュ」。

https://www.oneandonlyresorts.com/one-and-only-royal-mirage-dubai
5月初旬にHotels.comで「ワン&オンリー・ロイヤルミラージュ」の6〜8月の料金を調べると、約3万円という金額が出てきた。ラグジュアリーリゾートのなかで別格ともいえるワン&オンリー リゾートにして、この価格は超穴場(他の同リゾートは控えめでも3倍ほどの価格)。
実際に泊まった感想として、あんなに優雅でエキゾチックな世界にどっぷり浸れる滞在で、この金額は相当に安い。ワン&オンリー リゾートへの入門にもぴったりだ。
それに、近代高層ビルの顔をした5つ星ホテルと違って、「ワン&オンリー・ロイヤルミラージュ」は外観からしてアラビアンナイトを彷彿とさせる造り。そして一歩ホテルの中に入れば、さらなるアラビア世界に包まれて高揚感もひとしお!



どこを切りとってもフォトジェニック。夜に廊下を歩いているだけで、日本での些細な嫌なこともすっかり忘れる非日常的なムード。女性と一緒だったら、「写真撮って」と頼まれてなかなか進めないかも。
デザインにある程度のしばりのあるいくつかのハイエンドブランドに比べて、情緒のある空間となっているのが、「ワン&オンリー・ロイヤルミラージュ」の特徴だ。


いっそのこと中東の衣装を着て写真を撮りたくなってくる。

内装は細部までアラベスク様式で統一。シャンデリアもチェアも、ひとつのホテルにして種類は無数。
また、ホテル内のいたるところにさまざまな生花が惜しみなく飾られており、これがまたロマンチック。砂漠のなかの街だけれど、花でも野菜でも近隣国から何でも揃う。

ホテルは「ザ・パレス」「レジデンス&スパ」「アラビアンコート」の3棟に分かれていて、計452室。そう聞くと巨大ホテルのようだけれど、約8万坪(東京ドーム5.5個分)もの敷地のなかに3つの異なるホテルが入っているようなもので、むしろブティックホテル風。
ホテルの部屋を全部みたうえで自分が一番好みだったのは、手ごろな価格で泊まれる「アラビアンコート」棟のなかのデラックスルーム。ホテル内で最も安い部類の部屋が気に入った。
こちらがそのデラックスルーム。ベッドのヘッドボードがエキゾチック好きの心をくすぐる。

「ザ・パレス」のロイヤルスイートはもうちょっとモダンでエレガントな印象。

日中は暑さ覚悟でプールへ出てみたりも。

気温45℃超え!
でも「暑〜!!」と言いながら一度は水着を着てプライベートビーチに出るのも楽しい。灼熱の大気のなかから海に入れば、サウナ→水風呂のような気持ちよさ! 西欧のツーリストたちはそれだけでなくプールサイドできちんと日焼けに興じるのだから、太陽への思い入れが違う。

足の裏が一番熱い。
ホテル内には15ものレストランがあるので、館内グルメツアーに興じるもよし。
エキゾチックにドレスアップして、タジンのレストランに行ってみたり…

クラシカルなラウンジでの中東流アフタヌーンティーは、女性ウケ間違いなし。


「レジデンス&スパ」棟のゲスト限定のレストランでは、メインをラムかサーモンで迷いラムに。しかしこのひと口もらったサーモンが抜群に美味しかった。しっとりしたレア感もあって絶妙な火入れ。

わりと今でもこのサーモンのことを思い出す。
また、ムスリムの国だけあってノンアルコールカクテルやジュースの種類が豊富。

朝食でもこれだけの種類のジュースを揃える。一番右はラクダのミルク。ミルクなのに肉の味がした。

そして、ラマダン中はホテル内のラマダン・テントがめちゃくちゃ盛り上がる。

毎日20時過ぎに行われるラマダン明けの食事、イフタールを食べ、その後はシーシャを吸う。ドバイは外国人率が8割という国際都市なので、ムスリムのマナーの範囲内なら何でもありな自由な空気感。

スパにはイスラム世界の伝統的なお風呂“ハマム”を設置。

スチームで身体をほぐしたあとに、温かな大理石のベッドの上でボディクレンジング→スクラブ→シャンプー→ストレッチを受ける。全身をゆだねて洗ってもらい、赤ちゃんになったような気持ちになる。
また別の夜はエキゾチックかつSEXYな雰囲気のルーフトップバーへ。

ここに恋人と座る人たちがいるのですね。
そんなムーディーなバーもあれば、ビーチパーティーをやってそうなバーも人気。

そして、ホテルのボートで海を渡って、同じブランドの「ワン&オンリー・ザ・パーム」へ遊びに行くこともできる。


https://www.oneandonlyresorts.com/one-and-only-the-palm-dubai
「ワン&オンリー・ロイヤルミラージュ」がクラシックなアラビア世界であれば、「ワン&オンリー・ザ・パーム」はもう少しモダンで価格も上がる。このホテルへはバーに行くためだけに訪れた。
ビジターの夜遊びにもぴったりの「101 Dining Lounge and Bar」。

というわけで、夏のドバイは暑いけれど、このようにホテルのスケールが大きいので、観光をおさぼりしてホテル内にいるだけでも十分に楽しめる。それも、既述のようにひと部屋一泊3万円前後からあるので、満足度はかなり高い。さらに羽田からエミレーツ航空の深夜便もあって、ちょっと会社を休めば週末利用のバカンスも可能。
高額で混んでいるハイシーズンの地は避けて、一度くらい、エキゾチックなムードのなかで優雅に寛ぐ夏休みもありだと思う。