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エミリー・カー描くカナダ

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カナダのミュージアム・オブ・バンクーバーで、エミリー・カーの回顧展を見ました。ブリッティッシュコロンビア州ビクトリア出身の画家(1871-1945)で、同地の森を中心に自然をさまざまなかたちで描いた、ぼくが大好きな画家です。

カーは自分が生まれ育った森を愛したひとで、途中からカナダの先住民族によるトーテムポールもさかんに描くようになったことで知られています。

描きかたにも特徴があり、シダーとかパインウッドの場合、枝や葉にはこだわりません。木肌も細かい描写は省略されます。

カーについて書いた本によると、シンプルともいえる描写にはふたつの背景があるそうです。ひとつは影響を受けたキュビズムから。もうひとつは(関連しているのですが)ものごとをシンプルにしたほうが本質が見えやすくなると信じていたからだそうです。

本質とは外観よりもっと根源的なもの。自然の場合はよりスピリチュアルなものだったようです。カーの絵は、さきにバンクーバー島とかでカナダ西海岸の自然に触れたあとで観ると、よりインパクトが強いとかんじられます。

カーの作品はバンクーバー・アートギャラリーのパーマネントコレクションなどにも多くて、そちらではトーテムポールの絵も少なくないようです。


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